ケアマネジャーとして支援の現場にいると、

「この方向で本当にいいのかな?」

と迷う瞬間があります。
特に多職種チームで支援を行うとき、それぞれの専門性や立場からくる意見の違いに戸惑うこともあるでしょう。

でも、意見が違うからといって、ぶつかり合う必要はありません。

大切なのは、違いを尊重しながら歩み寄り、共通の目標=「本人の暮らしを支えること」に向けて連携することです。

今回は、そんな場面で使える「言葉のすり合わせ」「話し合いのコツ」を、日々の実践を通じてまとめました。

すれ違いが起きるのはなぜ?

多職種が連携する現場では、支援の出発点が違っていて当然です。
 医療職は身体の状態や病状の安定を重視し、福祉職は暮らし全体や本人の気持ちを大切にする傾向があります。
 それぞれが正しいことを考えていても、「この人は何を一番に考えているのか」がずれていると、話し合いの中で違和感が生まれます。

また、職種によって使う用語や判断基準も異なり、同じ言葉でも指している内容が違うことがあります。
 それが「伝わっていない」「理解してもらえない」という感覚につながってしまい、結果として協力しづらくなってしまうのです。

対話で違いを埋めるには?

用語の意味を確認し合う

例えば「安定している」「見守りが必要」といった言葉。

医師と看護師、ケアマネジャーで微妙にニュアンスが違うことがあります。
 支援会議などで

「この言葉は、どういう状態を指していますか?」

と聞くことで、曖昧さを解消しやすくなります。

言葉の意味を明確にすることで、ずれを防ぎ、本人にとっても分かりやすく、安心感のある支援ができるようになります。

否定せずに「問いかける」

違う意見に対して「それは違います」と返すのではなく、

「そう思われたのは、どんな背景があるんですか?」

と聞くことで、対話が深まります。
 立場や視点が違うからこそ、話してみることで新しい気づきが得られることも。

共通の目標を意識する

どの職種も、本人の望む暮らしを支えたいという点では同じはずです。
 「私たちはこの人の○○を支えたいと思っています」という視点を共有することで、意見の違いを乗り越えやすくなります。

連携をスムーズにする日ごろの工夫

雑談から信頼関係をつくる

業務連絡だけで関係が築けるわけではありません。
会議の合間や、ちょっとしたすれ違いの中で

「最近どうですか?」

と声をかけること。
そんな何気ない会話が、「この人には相談しやすい」と思ってもらえる関係につながります。

信頼関係があれば、難しい話もしやすくなり、支援の質も安定していきます。

相手のスケジュールや事情を考える

忙しい相手に長電話をしてしまったり、会議の依頼を急にしてしまうと、かえって協力が得られにくくなります。
 「あの職種は午前中は訪問が多い」「この時期は人手が足りない」など、相手の状況を想像して行動することで、連絡もしやすくなります。

たとえば、
電話をかける前に「今、お時間大丈夫ですか?」と一言添えるだけでも、相手の受け取り方が変わります。

「今、お時間大丈夫ですか?」

と一言添えるだけでも、相手の受け取り方が変わります。

対立が起きたときの乗り越え方 

会議で意見が真っ向からぶつかることもあります。
でも、それを「対立」と感じるか、「価値観の違い」と捉えるかで対応が変わります。

ポイントは、「本人にとってどちらが良いか?」という視点に立ち返ること。
 「この人が自分らしく暮らすには、どんな選択がいいだろう?」と問い直すことで、意見のすり合わせがしやすくなります。

また、自分の考えがどうしても通らないと感じたときは、第三者の意見を入れて視点を変えてみるのも効果的です。


意見が食い違うのは、誰にでも起きることです。
 むしろ違いがあるからこそ、多面的な支援ができるとも言えます。
 大切なのは、その違いを「対立」ではなく「すり合わせのチャンス」として捉えること。

日ごろのちょっとした声かけ、言葉の選び方、相手の事情への気配り。
 そうした小さな工夫の積み重ねが、支援チームの信頼関係を育み、よりよい支援につながっていきます。

本人の生活を中心に据えた対話と連携を、これからも続けていきましょう。

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